4月20日土曜日に開催します第六回エコール・ド・東山、受付を開始しております。みなさまのお越しをお待ちしております!
「クリムトのファッション」
古川 真宏 (京都大学大学院 人間・環境学研究科 日本学術振興会特別研究員DC1)
クリムトの肖像画に描かれた女性は、煌びやかな衣装で身を包んでいます。退廃的にして官能的な女性像が、現在の女性からも受け入れられ、人気を博しているのは、エロティックな生々しさを幻想的なものへと変えてしまう独特のファッションのおかげではないでしょうか。当時、婦人服に起こった変革のなかに、クリムトのファッションを位置づけていきます。
「ヨーロッパを魅了した京都の刺繍(ぬい)」
松原 史 (京都大学大学院 人間・環境学研究科 日本学術振興会特別研究員DC1)
仏教伝来とともに日本に伝わり、古くから京都でその技が培われて来た日本の刺繍(ぬい)。開国後、日本を訪れた外国人をも魅了し、西洋の嗜好、政府の思惑等さまざまな要因を背景として変化していきます。美しいだけではなく、激動の時代を映した生証人でもある近代刺繍の作品を、東西交流史的文脈の中で紹介します。
日時: 2013年4月20日(土)14:00~16:00 (開場13:30)
場所: ハイアットリージェンシー 京都 地下1階Touzanバー
定員: 20名
参加費:3000円(茶菓子付)
すでに、定員の半数近くのお席のご予約をいただいております。ご予約はお早めに!
第五回ご報告
さて、快晴の暖かい一日、第五回エコール・ド・東山を終了いたしました。お越しいただいた皆様、ありがとうございました。今回は、京都大学大学院・文学研究科の廣瀬匠さんと、どっぷりと天文学史に浸る午後をすごしました。
第一部「天文学の歴史は人類の歴史」
天文学は、文明の誕生するところには必ず誕生する学問。人類の歴史の源泉を垣間見たような気がしました。星座については、いくつかの有名な神話から、ギリシアにその起源があるものだと思っていたら、なんとメソポタミアがルーツなのだそうです。
紀元前五世紀ころまで占星術は、支配者が彼らの支配を正当化し権威を示すための特権的な知だったのですねぇ。昨今の日本では、金環日食だ、流星群だ、ハヤブサだ、『宇宙兄弟』だと(これはちょっと違うか、いや違わないか、あぁ『天地明察』もあるぅ)、と1億人総天体観測者であるかのように天文や宇宙について話している、そのこと自体が、きわめて現代的な現象なのだなとわかりました。
エジプトで観測されたシリウス。ナイル川の氾濫が起こるとき、この星は、明け方の東の空に現れ、日増しに東の空高く上っていくのだと、紀元前1600年7月のその星の動きを2013年3月16日にアンティークモダンなバーという空間で眺める。これって、どうよ。なんだか、すごいことなのだ…(安直な文言ですみません)とにかく、とても不思議な気持ちになるのでした。
第二部「1500年前の教科書で学ぶインド天文学」
インド天文学については、あまりにも大きな数字に圧倒されるばかり、……天文学的数字っていうのはこのことだなと納得しつつも……たとえば「ユガ」という単位、1ユガにおける太陽の回転数は432万って……わたしは手足の指の数以上を数えられないものですから、もう私には無理、ごめんなさい。しかしですよ、数の勘定を体でなんとかしようとするこんな私であっても、そんな数字をコンピュータ並みに計算しちゃう頭脳の持ち主であっても、こうした巨大な数字が支配するインド天文学のなかでは、しょせん非力でちっぽけな存在でしかないわけだな、とかなんとか自分をなぐさめながら第五回を閉会したのでありました。
白・ピンク・緑といういろどりに、ライムの風味が、爽やかな春の息吹を感じさせるケーキ、エコール・ド・東山で満喫するもうひとつの楽しみです。
ホテルのフロントデスクのお花も、春の芽吹きを感じさせるようなグリーンのカラーが。ほかにも、さりげなくアレンジされた緑が、春風を呼ぶようです。
13:00頃、ホテル正面入り口に星のようにきらめく黄金の人力車がとまっていました。まもなく花嫁さんと花婿さんが登場。晴れやかな日に、白無垢の花嫁が金色の人力車に映えて、美しかったことといったら。どうぞお幸せに。写真を載せられないのが残念。