2013年01月

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「そして、芸術家は神になる――イタリア・ルネサンスと神格化される芸術家」
古川 萌 (京都大学大学院 人間・環境学研究科 修士課程)
 常人とは考えが違っていて、マイペースで頑固、機知に富み、突然奇抜なことをする変人。多くの人が「芸術家」に対してそういったイメージを抱いていると思います。しかし、こういうイメージはいったいなぜ、どこから来たものなのでしょうか。その秘密は、イタリア・ルネサンスにありました。

「難しいことこそ頑張れる?――思い出すのが難しい記憶にご褒美が与える影響」
重宗 弥生(京都大学大学院 人間・環境学研究科 特定研究員)
 ヒトはご褒美があるといつもより頑張れます。それは記憶についても例外ではありません。では、思い出すのが簡単なことと、難しいことでは、どちらでよりご褒美が有効に働くでしょうか。ご褒美、モチベーション、記憶に関係する脳領域の活動をもとに、認知神経科学の観点から明らかにします。


日 時 2月16日(土) 午後2時より (開場 午後1時半)
場 所 ハイアット リージェンシー 京都(市バス 国立博物館・三十三間堂前下車)
地下1階 Touzanバー
定 員  20名
参加費 3000円(お代わり自由のコーヒー、紅茶にホテル特製のケーキ付)
予約先 ecoledetouzan@hotmail.co.jp


お待たせしました。2013年1月19日、第三回エコール・ド・東山の報告
なんと第三回目にして、初の快晴!どうやら、ご参加いただいたご婦人が「晴れ女」だったからのようです。さて、今回もお二方のお話について、ちょっぴりご紹介いたします。……個人的な感想といったほうがよいかもしれませんけれど……
「香川県伊吹島の産屋習俗と近代」
京都大学大学院 人間・環境学研究科 博士後期課程 伏見裕子さん
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 伏見さんは、「自然なお産」が「いいお産」という昨今のイデオロギーともいえる出産イメージ(あるいは思いこみ)によって、帝王切開など医療介入による出産を余儀なくされたことから「いいお産」が出来なかったと敗北感を持つ女性がいること、あるいは自然分娩によって赤ちゃんを亡くされたことから自身を責め続ける女性がいることを知るにいたって、このイデオロギーが、いかなるものか、いかに練り上げられてきたのか、という問題意識に目覚められたのだとか。
 香川県伊吹島の産屋は、1970年まで使用されていたということで、伏見さんみずから(しかも生後三ヶ月の赤ちゃんを連れて!)現地へおもむき、聞き取り調査をするなど積極的にフィールドワークもされています。研究への気迫を感じるお話でした。(3番目の写真は、伏見さん撮影による伊吹産院跡を示す石碑。2011/4/1香川県伊吹島)
 お産のことは、よくわからないわたし…、そこで「自然なお産」の「自然」って何だろうか?という素朴な疑問が。西洋美術史をやっている私からすると、お産といえば禁断の実を食べたイヴに神様が与えた罰。神様が創造したものなんだから、それを「自然」って言えるんかなぁとか、聖書それ自体がイデオロギーの塊やもんな~とか、この場合にかかわらず、「自然」という言葉の使われ方そのものにもイデオロギーが潜んでいるような…とか、そんなことを考えていたのでありました。
 お話のなかでは、出産や月経に伴う「穢れ」についても触れられていて、「あら、そういえば」と、ひとつ身近なことを思い出すのでした。父・母・娘x2の我が家では、神棚に触れるのは父だけ。榊をかえたり、水をかえたり、蝋燭を灯すのも、父だよな~、と。そこでは確かに、「穢れ」の意識が働いていて、しかも父の権威が保たれているのだわ!、と。伏見さんのお話からは離れていくけれど、こんなふうに日常を振り返ったり、考えたりするきっかけを与えてもらえるのが、とても楽しいのでした。
  伏見さんの研究については、女性学年報31号、32号、33号に掲載されていて、伊吹島についてはは31号、32号で、33号は山形県の事例をとりあげているそうです。女性学年報URL⇒http://www.jca.apc.org/wssj/nenpo/
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お待ちかねのデザートタイム。今月は、ストロベリーショートケーキ。フレッシュで甘酸っぱい苺ソースと蜂蜜のソースがベストマッチ
「草花が織りなす多様性の庭」
京都大学大学院 人間・環境学研究科 研究員 山内朋樹さん
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 空間芸術の授業と、講師のひとりであった庭師さんとの出会いををきっかけに、庭作りに携わるようになった山内さん。現在は独立した庭師として(伏見の割烹料理店の庭や、嵐山のカフェギャラリーの庭、ほかをプロデュース)、非常勤講師として(京都教育大学・非常勤講師「作庭実習」担当)、そして庭をめぐる理論的な背景を知りたいということで、研究者として活動されています。庭づくりの際、山内さんが庭造りの中心に据えているは、「植物の起こす変化の多様性」。そうした庭造りを実践するフランスのジル・クレマン氏の手法や考えを紹介してくださいました。
 最も印象に残ったクレマンの言葉は、〈動いている庭〉…え!?庭が動くのかっ?なるほど、草木、草花は、決して無秩序に生えているわけではないんですねぇ。木陰から、日の当たる場所へと移動する植物たち、う~ん、確かに動いている。その動きに合わせて庭を作っていくなんて、なんだか壮大です。(3番目の写真は、山内さんの撮影によるアンドロ=シトロエン公園の〈動いている庭〉2011/8 パリ)
 山、緑地帯、公園、鎮守の森、空き地、各家庭の大小様々な庭、そしてベランダや路地のプランター、これらすべてに生える植物がネットワークを形成している、というのも面白い。目の前の植木鉢から、世界が広がるような気持ちになるのでした。「早速、自宅で、動いている草木を発見。嬉しくなりました」と、参加者の方からもメールをいただきました。
 ジル・クレマンの代表作『動いている庭』(1994年)は、現在、山内さん自身が翻訳中。出版されたら、このブログでも、お知らせしたいと思います。待ち遠しい!


 研究発表というと何だか難しく構えてしまいがちですが、伏見さんと山内さんのお話は、私たちの身近で意識せずに見過ごしていることや現象に目をとめ、ルーティーンな毎日に新しい発見を与えてくれる、そんなきっかけとなりました。ありがとうございました。
さぁ、新しい学びの場エコール・ド・東山での2時間、2月も楽しみです!

第四回は、芸術、そしてエコール・ド・東山では初登場となる科学のお話です。

「そして、芸術家は神になる――イタリア・ルネサンスと神格化される芸術家」
古川 萌 (京都大学大学院 人間・環境学研究科 修士課程)
 常人とは考えが違っていて、マイペースで頑固、機知に富み、突然奇抜なことをする変人。多くの人が「芸術家」に対してそういったイメージを抱いていると思います。しかし、こういうイメージはいったいなぜ、どこから来たものなのでしょうか。その秘密は、イタリア・ルネサンスにありました。

「難しいことこそ頑張れる?――思い出すのが難しい記憶にご褒美が与える影響」
重宗 弥生(京都大学大学院 人間・環境学研究科 特定研究員)
 ヒトはご褒美があるといつもより頑張れます。それは記憶についても例外ではありません。では、思い出すのが簡単なことと、難しいことでは、どちらでよりご褒美が有効に働くでしょうか。ご褒美、モチベーション、記憶に関係する脳領域の活動をもとに、認知神経科学の観点から明らかにします。


日  時 2月16日(土) 午後2時より (開場 午後1時半)
場  所 ハイアット リージェンシー 京都(市バス 国立博物館・三十三間堂前下車)
         地下1階 Touzanバー
定  員  20名
参加費 3000円(お代わり自由のコーヒー、紅茶にホテル特製のケーキ付)
予約先 ecoledetouzan@hotmail.co.jp

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